白上がり
江戸小紋というのは、一色の地に一面細かく白い模様が入っています。
これが江戸小紋の特徴といってもいいかもしれません。
白く抜いた部分を「目地」というのですが、これも実は重要視されるのです。
で、ここでちょっと疑問に思った方もいるのではないでしょうか?
江戸小紋は伊勢型紙という和紙に柄が白く抜ける模様として穴が開いています。
このような型紙を使用して染めるのに、なぜ白抜きの文様になるのか?
これは、江戸小紋の染め方によってそうなるようになっているのです。
まず、板の上に白生地を張って型紙を置いたら、この孔版(穴の開いた型紙のこと)を使って、防染の糊を置きます。
すると、白生地には糊が模様になって付いている状態になります。
そして次に色で染めます。
染めてから糊を洗いおとすと、糊は防染されていますから、文様通りに置かれていた防染糊が落ちて、そこに模様が白く浮き上がるように抜かれているということになります。
江戸小紋は伊勢型紙を使って、それをずらしながら防染糊で染めていきますから、染め上がった反物をよ〜く見ると、型紙の境目がうっすらと見えるものもあります。(よく目を凝らさないと見えませんから、着用に問題があるわけではありません)
伊勢型紙
江戸小紋は型染めですが、その型は紙です。
紙といっても、その強度は並大抵のものではありません。
和紙を柿渋で何枚も張り合わせた非情に丈夫なもので、「紙の型なんかだと、すぐに破れそう」という私たちの不安は吹き飛ばされてしまうほど耐久性があるのです。
その紙に錐や刀で模様を刻んでいきます。
模様を刻むといっても、江戸小紋の特徴は遠目から見ると色無地と見まごうほどの細かい文様ですから、とても人間業とは思えないほど精緻なものです。
一寸(約3cm)四方に約900の穴があいているそうです。
伊勢型紙のサイズはB4サイズの紙くらいだそうです。